相続するご家族にその価値を知ってもらう
トレーディングカード次世代承継研究所の若海です。
このページでは、想定できるケースを元に会話形式でご案内してみようと思います。
先生、相談があります。
やっぱり僕の大切なカードは家族に渡したいです。
了解しました。もちろん原則は家族が承継するものですから問題ありません。
ただ、その場合は正しくそのカードの価値を知ってもらう事が大事です。
もちろん、今から言ってありますよ
いやいや(笑) 恐らく今言われても右から左、全く聞いてないと思いますよ。だってご家族は興味がないんですから。
ぐぐ……な、ならばメモを書いておきます。それならいいでしょう?
それも良いですが、ただしくそのメモがご家族に伝わるでしょうか?どうせなら遺言書に書いてしまいませんか?
家族に渡す場合も遺言書って必要なんですか?
もちろんです。例えばAさんの家族は奥様と息子さんですが、カードはどちらに渡したいですか?
う~ん、やっぱり息子かなぁ。同じ男だし分かってくれると思う。
であれば遺言書に”息子さんに相続させる”と書きましょう。
書かないと法律で従った相続割合に応じて、奥様と息子さんで共有することになりますよ。
なるほど……。
それと遺言書には付言事項というのがあります。
これは財産の処分行為だけではなく、それをどんな気持ちで相続するかとか…要は家族へのお気持ちをお伝えするところですね。そこにそのカードが一体どんな価値があるものなのか書いておくといいですよ。
わかりました!
といったように、
「家族に渡すからいいや」と言ってもそれで準備をしないで良いという訳でもありません。ただしくそのカードの価値を家族に伝える方法を検討してください。
カードにはおよそ2つの価値側面があります。
(1)希少価値・そのカード自体の魅力です。
(2)金銭的価値・そのカードがもつ市場価値です。
⑴の場合には、上記のAさんとの会話のように、そのカードの希少価値・そしてできればどうそのカードを保有してもらいたいかを遺言書に書くと良いと思います。
一方の⑵の場合には、遺言書を作成した時点である程度の金銭的価値を併記してあげるとよいでしょう。
もちろん変動が激しいものなので、その遺言が効力を生じるときにはその時の価格ではないと思いますが、それでも「このカードは高いものなのだ」ということが伝わるだけでも不幸を減らすことができると考えます。
我々コレクターは忘れがちですが、カードに興味のない人たちにとってカードは玩具であり価値のないものという認識です。そこに金銭的価値があるとは思わないのです。
金銭的価値は必ずしも伴わない⑴の場合にはより顕著になります。どうか1枚でも多く貴重なカードが後世に残るよう、ご協力頂ければ幸いです。