「もし遺言書が破損した状態で見つかったら…?」

 

トレーディングカードと直接関係はありませんが

良く質問をいただきますので、ここでまとめさせていただきます。

 

まず前提としまして、遺言書の種類により、その回答はがらりと変わります。

 

■公正証書遺言書の場合

 

そもそも、この場合には原本は公証役場で保管されていますので全く問題がありません。

公証役場に再発行してもらい、その遺言の内容に従って遺産相続の手続きを行うことができます。

なので私も公正証書遺言を強くおすすめしております。

 

■自筆証書遺言書の場合

 

問題になるのは恐らくこっちの場合。

自筆証書遺言です。

 

この場合、破損の程度、そして破損に至った経緯によって、取り扱いが異なることになります。

 

遺言書が完全に無くなってしまった場合、遺言が実際に存在していたのかどうかを証明することはできず、その内容や有効性を証明することは通常はできません。

 

また、遺言書が破れているが、復元すれば内容が判読できる場合、遺言書が破棄された経緯が問題となります。

民法第1024条「遺言者が故意に遺言書を破棄した場合、その破棄した部分については、遺言を撤回したと見なす」

つまり、遺言者が自らの意思で自筆証書遺言を破り捨てた場合は撤回されたとみなされます。

 

撤回とみなされるのは、「遺言者」が「故意に」遺言書を破棄した場合に限ります。

他の書類と間違えてうっかり遺言書を破ってしまった場合遺言の撤回には該当しません

 

また、自筆証書遺言は封筒にいれ、封をしていないといけないことになっていますが、その封が空いてしまっているだけであればその効力に影響はないという考えが一般的です。

 

以上のことから、自筆証書遺言の場合にはその破損の程度が重要になってきます。

万が一そのような遺言書があった場合にはお近くの弁護士や司法書士にご相談ください。