最近、数名の方から同じような質問(相談)がありましたので、記事にさせて頂きます。

今回のテーマは
「遺言書に書いたカードの価値が暴落したらどうなるのか?」
です。

この記事を書いている2024年2月現在
たしかにポケモンカード等、昨年高騰に高騰を続けたカードたちが軒並みガクッとさがっているようです。
個人的には、現状でも数年前と比べたらとても高い価格だなーと思うのですが、それは置いといて。

さて、今回のテーマの結論ですが、
率直に申し上げると「なにも影響がありません」

仮に遺言書に、「このカードの価格は100万円だから譲る」と書いた場合で、実際には1万円の価値しかなかった場合でもまったく影響がありません。
遺言書はその記載した財産の承継先を決めるだけであり、その価値を保証するものではないからです。

 

しかしながら、注意しないといけないことがあります。

それは、たとえば
・長男Aには1000万円相当の不動産を相続する。
・二男Bには1000万円相当のカードを相続する。
というような場合。

この場合、遺言書作成時点では財産のつり合いが取れています。
ただ相続が生じた時にカードの金額が100万円でしかなかったと仮定すると、二人の子供の間で著しく不公平となります。
が、この場合でも良くも悪くも遺言書は有効のため、その内容のとおりになります。
一般的にこのような場合、揉め事の種になります。

このような場合を防ぐためには
・価格の大きな変動があったさいには遺言書を作り直す
・相続させる財産の種類の偏りをしない
・他の財産を交えた換価相続を指定する
などが考えられます。

昨今の価格変動を鑑みてもやはりトレーディングカードの市場価値は不安定です。
次世代に残すのも大事ですが、それ以上に次の世代に揉め事の種を遺さないよう気をつけましょう。